ダブにも最適なアナログディレイをableton liveで

M4LAnalogEcho

ディレイはデジタルでの音楽表現には欠かせないものですが、古くはテープを利用したり、BBD素子を利用していたり、現在のようにコンピュータのメモリーを使って遅延したサウンドを生み出せるようになる前は音質との戦いがありました。
長いディレイタイムを稼ぐほど音質の犠牲が大きくなっていくのがアナログ時代の宿命でした。

今となってはその劣化したディレイ音が逆に特殊な残響のように聞こえ
デジタルディレイとはまた違った使い方ができると再評価されています。

実際にアナログディレイの良い点は原音を邪魔しないところ。
通常デジタルディレイで原音をコピーして反復させると正確なコピーでループ感や干渉等もあることから、どうしても原音が奥に引っ込んだ印象になってしまいます。
それを宇宙的な広がりとして利用するために使われるのですが
もうすこし控えめに原音の響きが立つような使い方がアナログディレイでは可能です。
単にレトロというだけではなく、残響感があるのに原音は太いままというような使い方です。

今のところギタリスト以外でアナログディレイに興味を持つ人は稀だと思うのですが、エレピなんかにもかなり活用できる音ですし、デジタルディレイで奥行き感がしっくりこなかった場合はアナログを挿してみるとそれが求めている正解だったりします。

最近だとデヴィッド・リンチがアナログディレイやテープエコーを多用した音楽を作っています。
テープエコーとアナログディレイもまた全く違う音の特徴があるので、代用が出来ないです。
テープエコーはどちらかというとかなりフィードバックを深くして使うことが可能なのですがアナログディレイはあまりにフィードバックを深くすると発振に近い音色になってきます。

アナログディレイの音をシミュレートするプラグインも徐々に出てきていますが、ableton liveのM4L(max for live)用にプログラムを作りました。

M4L Analog Echo (.amxd file)

デモ映像ではディレイ音が反復するごとにどんどん劣化しているのがわかると思います。
単にフィルターでハイをカットしているだけではなく、ディレイ音はきちんとデザインされています。
そのクセがフィードバックで反復を繰り返す毎に強くなっていきます。

アルヴィン・ルシエのI Am Sitting In A Roomという作品が一つのピッチに収束していくのもこの周波数分布の山が強調され、最後まで生き残るものが一つしかなくなるからです。

INTENSITYを90%以上にすると音が発振しだします。
発振している状態でRATEを操作すると音のピッチが変わります。
こういう音は飛び道具的にテクノなどでよく使われています。

DSC06784-1

最近はアナログディレイを構成するハードウェアも安くなっておりMooerのana echoはBOSSのDM2のクローンなのですが、5000円程度で買えます。
ana echoは音もきちんとBBDを使ったアナログ回路なので、まさにアナログディレイの音です。
しかし、僕のプラグインなら$5なので、ableton liveユーザーならmooerの1/10もの値段で買えます。
そしてステレオ仕様なので、ステレオのドラムトラックのループなんかにも使えます。
どちらが買いかは適材適所だと思うので、耳で確かめてもらえればと思います。

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