quelltll BLACK PEAKS まとめ

BlackPeaks001

音楽を作曲せずに、いかに作家性を帯びた楽曲を生成するかという課題に取り組むquelltllのBLACK PEAKSシリーズです。(001から020まで20曲)

2016/10/22にBLACK PEAKS EP1がリリースされました。
アップルやアマゾン、ライン、OTOTOYなど主要配信サイトでリリースされてます。
https://itunes.apple.com/jp/album/black-peaks-ep1/id1164401068

作曲をディープに突き詰めると避けては通れないのが、作曲ではないとされる音表現とはどのようなものなのかを探求するということ。
この逆は作曲になるので、非作曲がどういった行為であるのかを確認する作業は作曲を探求でもあり、その過程で実は現代ではクリエイティブに値する行為で見逃されているものを発見することがあります。

BLACK PEAKSシリーズは従来作曲ではないというレッテルを貼られた技法に焦点を当てて創作を行うquelltllの作品シリーズの一つですが、こちらは世の中に既に存在する大量の音の断片をアルゴリズミックマッシュアップすることによって音楽が自動生成されています。

音の断片は既存のCDの音源サンプリングなどではなく、quelltllで音楽を収集し、1から自分たちの音色でファイル化したり録音したりしています。
ここにquelltllらしさをもたらすかなりの要因があるように感じます。

そもそも人間の作曲行為自体が、既存の音楽をトレースするほどではありませんが、既存の時代様式、個別文法に沿った新たな音楽を作ることであり、世の中に全く存在していない文法のみを使用して音楽を作ると現代音楽/前衛音楽すら構築することは難しいです。
意識的であるか否かは別として、それくらい過去の慣習の上に積み重ねられるものが音楽なのではないでしょうか。

西洋音楽のアンチテーゼを標榜する音楽のも少なからず、12音階など西洋音楽のマナーを結果的に踏襲してしまうことがあるので、音楽における独創的行為、作曲とはなにが創造的であるのか、真剣に考える程問題点はたくさん見つかります。

何がアートか、何が創造的行為か、何が作曲かというのは時代とともに概念が変わっていって当然なものだと思うので、quelltllはいかに作曲という概念が現代変質してきているのかを実践を通じて実験する場でもあります。

Screen Shot 2016-04-05 at 午後6.55.12

プログラムを構築する際に使用しているソフトはCycling’74 Max7、ableton Liveです。
アルゴリズムも随時更新していてBLACK PEAKS 001の頃と015ではかなり生成の方法が違っています。

こういったシステマティックな作曲技法と一番遠い位置にあるジャンルの音楽をやっているので、クラブミュージックサイドの人からはチンプンカンプンなアプローチでしょうし、逆に生真面目にアカデミックに技法を探求してる人から見たらゲスなビートミュージックなので、どの客層から見てもひねくれた音楽なので、とても大量に売れるような音楽ではありませんが、少しでも作品購入を通じて支援していただければよりスマートなアルゴリズムの研究、作曲のペースが加速します!

作品はBandcampで24bit/48kHzのハイレゾオーディオを発売中です。

音楽的にもメタリックなものからインダストリアルより、4つ打ちからUKダブステップ、グライムのようなビートまでさまざまな要素が混在しているのがquelltllの音楽の特徴です。
視聴は以下から