Roland Boutique D-05から考えるプリセットそのまま使い問題

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デジタルシンセの登場とともに一般化したシンセサイザーのメーカー提供プリセットをそのまま使うのはどうなのか論争。創造性とは?ということを考えると、音色を選ぶという行為よりも作るという行為のほうがクリエイティブに感じるだろうし時間も体力も使うのは間違いないです。しかし、時間と体力を使うことこそが創造性であるのか?という根本的な問題があると思います。

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Roland Boutique D-05は80年代の大ヒット商品D-50の復刻ですが、しっかりUIも当時のメニュー階層を深く潜らないと音作りができない状態まで復刻しています。
アナログシンセの小型デジタルモデリングリメイクとは違った困難が待ち受けてます。
特に最近のソフトシンセはアナログシンセを模したUIのものも多く、そういったものに慣れてしまった世代にはD-05のように深いメニュー階層に何度もアクセスして直感的でない方法で音色を作っていくことに抵抗を覚えるのではないかと予想するとともに
今のミュージシャンはプリセットをそのまま使う場面は80年代当時よりも多くなるのではないかと思います。

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特に昨今のアンダーグラウンドなクラブミュージックは様々な時代で使い古された有名なプリセットをあえてそのまんま使うことも多くなってます。
聞き慣れたプリセットをそのまま使うという行為が逆に音楽的なフックになっていてクールだったりもします。

以下はD-05に搭載されたプリセットP1とP2、P3、P4、P5それぞれ64種類ずつのデモです。

プリセットはP1からP6まで64*6種類のものが標準搭載されておりなかなかな数。
ネット上に転がっているD-50のプリセットのバルクロードまでできます。

MIDIバルクダンプを最も簡単に行うソフトはフリーのSysEx Librarianが簡単でおすすめです。
https://www.snoize.com/SysExLibrarian/

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D-05をワンウェイモードにしバルクロードスタンバイした状態で、SysEx Librarianでプリセットを選び再生ボタンを押せばD-05にD-50用のプリセットが注入されます。

D-50のプリセットはこのサイトなんかにもあります。SysEx Librarianで簡単にD-05に移せます。
http://bobbyblues.recup.ch/roland_d-50/d-50_soundbanks.html#Roland

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さて、ここであらためて考えてしまうのがこれだけプリセットがたくさんある中で自分で音作りを1からしなければ楽曲が求める理想の音色にたどり着けないなんてことがはたしてあるのかという問題。

厳格な作曲教育を行う音楽大学で修練を積んだ人ならわかると思いますが、従来の作曲では音を選ぶ行為は創造的行為ではないとされており、シンセサイザーの音選びなど作曲ではないという考え方が欧米の楽壇では一般的です。
しかし、テクノロジーの発展により情報やデータのコストが下がり時代は変わっています。

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それまでプリセットを選ぶという行為が創造的ではないとされていたのは、選ぶプリセットの数に限りがありどこか作曲上妥協したアレンジを余儀なくされがちという点に問題があったのだろうと思います。
2017年現在はソフトシンセでは膨大にプリセットは存在し、なんならAbleton M4Lプラグインのパラメータランダマイズ機能を使うと瞬時に音色は機械的に作られて、作曲家はそれを選ぶということに専念できると思います。
使えない音色はバサバサ切り捨てて、次々に新しい音色をボタン一つで生み出して楽曲に最適なものを選び出すことができる。

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これは十分にクリエイティブなのではないでしょうか?
作曲上の妥協もありません。

単なるランダマイズではなくビッグデータ、人工知能が活用できる時代に音を選ぶ行為が創造的ではないとは言い切れないのではないかと思います。

少なくともquelltllではパラメータをいじり倒してやっと最適な音色を得ることもあればプリセットをバンバン選んで最適な音色を探し出すこともあります。

大事なのは音楽を作る上で妥協しているのかどうか、質に問題があるかどうかなので、その方法論にばかり固執して肝心の「音楽」を作っているということを忘れてはいけないと思います。

同時に現代おきている問題として、はたして21世紀に新作の作曲を本当に人々は求めているのかということもあると思います。
1000年以上の音楽の歴史の中で誕生した膨大に過去の資産である音楽がはたして現代の新作よりも価値がないなどという価値観が生じうるのか。

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人類にとって既に経過した過去の音楽もほとんどの作品が一個人にとっては経験したことがない音体験であり、過去に先人たちが聞いてきた音楽を追体験するだけでも十分に芸術鑑賞としては満たされており、永遠にその資産も枯渇はしないと思います。
そんな中、現代に新作を作曲する意味というのをきちんと考えていかなければ死んだ作曲家に現代の作曲家は食われてしまうと思います。

 

—Roland D-05について(メーカーサイトより引用)—

現代に捧げるLA音源シンセサイザー

1987年にリリースされたRoland D-50は、サンプリングされたアタックと波形をシンセサイズしたサステインをミックスし、内蔵のコーラス、リバーブ、EQを駆使したサウンドは、80年代後半の音楽に大きな影響を与えました。そのサウンドは、シンセポップやニューウェーブ、R&B、サウンドトラックなど幅広いジャンルで聞く事ができます。Roland D-05は、伝説的なシンセサイザーD-50の象徴的なサウンドはもちろん、あの特徴的な操作子まで細部まで再現しています。

  • オリジナルD-50を完全再現。
  • DCB(Digital Circuit Behavior)により、細部に至るまで忠実に再現。
  • ジョイスティックを含むD-50の操作パネルを再現。
  • 全てのオリジナル・パッチに加え、新規プリセット音色も収録。
  • オリジナルD-50のパッチ・データとの互換性あり。
  • 64ステップのポリフォニック・シーケンサーとアルペジエーターを搭載。
  • 堅牢なメタル・ボディ。
  • 持ち運び便利なコンパクト・サイズ。
  • USBバス電源での動作に加え、電池駆動にも対応。
  • 気軽に楽しめる、パワード・ミニ・スピーカーを搭載。
  • Roland Boutiqueシリーズのアクセサリに対応。
    ビンテージ・デジタル

    多くの人は、ビンテージ・シンセサイザーと言えばツマミやスライダーの化け物のようなイメージでしたが、1980年代に入りデジタル・シンセサイザーの出現により、そのイメージは刷新されました。デジタル・エンジンを搭載したスマートなキーボードは、アナログ・シンセでは不可能だった新しいサウンドを多くのミュージシャンやプロデューサーに享受しました。

    Roland初のフル・デジタル・シンセサイザーであるD-50は、サンプリングによるアタック成分と波形合成のサステイン成分に内蔵のデジタル・エフェクトとジョイスティックを駆使して作られた個性的なサウンドは、一気に世界中に広まりました。

    1980年代末期から1990年代初期の著名な数多くのトラックにRoland D-50のサウンドが使われていました。D-50の独特の美しく、存在感のある唯一無二のサウンドによってデジタル・シンセサイザーとしてアナログ・シンセサイザーに引けを取らない確固たる地位を確立しました。

    新しいジャンルの礎に

    80年代は、新しいサウンドやジャンルを探し求めていたプロデューサーによってポップ・ミュージックが大きく変革した時期でした。1987年にリリースされたD-50のプリセット音色は、非常に緻密に作られており、その音色に魅かれた多くの著名なアーティストは、彼らのヒットソングの中にプリセット音色をそのまま使うこともありました。Roland D-05は、そんな魅力的なD-50の美しいサウンドをRoland Boutiqueサイズに凝縮しました。

    PCMとシンセシスの融合

    魅力的なRoland D-50のサウンドの核は、「音素片」と言われる短いPCMサウンドのアタック部と波形合成されたサステイン部のミックスする技術になります。LA(Linear Arithmetic)音源と名付けられたこの音源技術によって当時とても高価だったデジタル・サンプラーのリアリティとシンセサイザーの表現力の双方を融合し、更に内蔵エフェクトを駆使したハイクオリティな音作りが可能で当時プロフェッショナルなキーボードとしてベストセラーとなりました。 D-50の登場から30年を経た現在でも、LA音源のサウンドは色あせることはありません。

    LA音源をもっと深く掘り下げれば、新しいパーカッシブで力強い音色から滑らかなアンビエント・パッド、スタッカートが効いたシーケンス・サウンドなど今までにない新しいサウンドがきっと見つけられるでしょう。

    LA Boutique

    Roland Boutiqueシリーズは、軽量コンパクトなデザインでスタジオやステージなど場所を選ばずに使用する事が出来ます。 D-05は、D-50のLA音源をDCB(Digital Circuit Behavior)テクノロジーによってモデリング。サウンドはもちろん、ニュアンスまでも忠実に再現しています。パネル・デザインも細部までこだわって再現し、アッパー/ロワーのミックス・コントロールに重要なジョイスティックも搭載しています。

    更にD-05は、オリジナルにはない64ステップのポリフォニック・シーケンサーも新機能として搭載。テンポやパッチ・チェンジの記録はもちろん、ゲート・タイムとシャッフルのエディットも可能です。またアルペジエーターも内蔵しているのでパッチに動きを付けることで新しいアイデアやパフォーマンスを生み出すことが可能です。

    軽量、コンパクトなボディのD-05は、乾電池またはUSBバスパワーで駆動するので場所を選ぶことなく、どこでもプレイすることができます。更にMIDI入出力端子、3.5mmステレオ・ミニのアウトプット端子を装備した上にUSBオーディオ/MIDIインターフェース機能も内蔵しているので増えがちなPC周辺機器をコンパクトにすることができます。また、D-05は、Roalnd Boutiqueシリーズに用意されているアクセサリにも対応しています。DK-01でチルト・アップして音源単体で使用したり、K-25mを装着すればリュックに入るD-50として持ち運んだりすることが出来ます。D-05を通して80年代を代表するD-50がより身近になります。

    主な仕様

    最大同時発音数16音リニア・シンセサイザーパッチ/パターン・メモリープリセット・パッチ:64×6
    ユーザー・パッチ:64×8
    パターン:64コントローラーVOLUMEつまみ
    リボン・コントローラーC1、C2
    ジョイスティック
    FUNCTIONボタン
    PRESET/USERボタン
    PARTIAL BALANCE/EDIT選択ボタン
    UPPER/LOWER/VALUE/LOCALインジケーター
    左カーソル/F1/F2/右カーソル・ボタン/インジケーター
    CHASEボタン/インジケーター
    PORTAMENTOボタン/インジケーター
    EDITボタン
    EXITボタン
    SEQUENCERボタン/インジケーター
    WRITEボタン
    INCREMENTボタン
    DECREMENTボタン
    数字キー(0~9、SHIFT、ENTER)
    PATCH BANKボタン/インジケーター(1~8)
    PATCH NUMBERボタン/インジケーター(1~8)
    電源スイッチステップ・シーケンサー64ステップアルペジエータータイプ:1Oct(UP、U+D、DOWN)、2Oct(DOWN、U+D、UP)
    Step:1/4、1/8、1/16、1/4T、1/8T、1/16T表示機16桁2行LCD接続端子PHONES端子:ステレオ・ミニ・タイプ
    OUTPUT端子:ステレオ・ミニ・タイプ
    MIX IN端子:ステレオ・ミニ・タイプ
    MIDI(IN、OUT)端子
    USB端子:USBマイクロBタイプ(オーディオ、MIDI対応)電源充電式ニッケル水素電池(単3形)×4
    アルカリ電池(単3形)×4
    USBバス電源消費電流500mA(USBバス電源)連続使用時の電池の寿命充電式ニッケル水素電池(単3形):約5時間
    ※電池の仕様、容量、使用状態によって異なります。付属品取扱説明書
    安全上のご注意チラシ
    アルカリ電池(単3形)×4別売品キーボード・ユニット:K-25m
    Boutiqueドック:DK-01

    外形寸法/質量幅
    (W)300 mm奥行き (D)128 mm高さ (H)46 mm質量0.9Kg ※電池含む